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素晴らしい曲と映像です。
新型コロナウイルスの被害からの復活と希望の願い。
支援の気持ちと彼らの長年のファンとしてRoby Facchinetti のProgetto Rinascerò, rinasceraiを応援しています。

玉葱のような友人 [料理]

戦友のような友人に玉葱をいただいた。
本来玉葱は匂いも強烈で、皮を剥くだけでも刺激が強い。
今どきの甘い品種のサラダ用も美味しいものだが、
涙が出るような玉葱にじっくり火を通した濃厚な甘さのほうが好きだ。
さて、その戦友は
不正規雇用だった過酷な職場で数年一緒に働いた人だ。
二人共、正規雇用者の下で正規雇用より多くの物量と責任を負わされていた。
給料は正規雇用の3分の1程度だった。
担当は違うが同じ部署で机を突き合わせていて、互いの大変さがよく見えた。
僅かでも時間があれば「手伝えることは無いか」と声を掛け合い、
仕事内容の相談もし合った。
過酷な状況で働くとまるで戦友のような繋がりになる場合がある。

そんな彼女に、一つだけ言わなかったことがあった。
DVを受けているということ。
出会った時からDVを受けていたが、言えなかったのは自覚がなかったから。
入院時も偶々彼女が忙しくて連絡を取り合わなかったので気づかれず、
退院後に解決のために一歩動いてからやっと話すことができた。
当然ながら…叱られた。
「何を馬鹿な事をしてた?!もっと早く言え!早く気づけ!」
彼女自身の怒りと悔しさと落胆と後悔と…多くの感情が押し寄せるショックの中で、
自分の馬鹿さ加減をよく知る彼女は、
呆れかえりながらも事実をそのまま事実として受け止めた。
その後も変わらず彼女が困れば連絡してきて、自分が困れば連絡するという
それまでと変わらぬ付き合いを続けている。

先日、実家で採れた玉ネギを夫婦でおすそ分けにやって来た。
彼女の夫も当時同じ職場で自分と一緒に仕事をしたことがある。
別部署の正規雇用の人だ。
彼女とは自分を通して知り合ったことになる。

お互いにズバズバとはっきりものを言う女子(おばちゃん)トーク。
彼はそれをニタニタして聴いて「溜まってるねぇ…」なんて言う。
そろそろ彼女も専業主婦も飽きて来た頃だから、
文章系の仕事を復活させて一緒に行動開始しないかと誘っていたら
「じゃあ、自分は捨てられちゃうのかなぁ…」
「要るよ!」
「要るの?」
「そうだよ。ちゃんと働いてもらわないと。
稼いで来てもらわないと子どもも私もすぐ食えなくなる」
「え~~~そのためかぁ…」
相変わらず、彼女の言葉は論理的で彼の言葉は感情的。
使う言葉は違うが心があって、互いに心に耳を傾けている。
続く会話を聴きながら、微笑ましくてこちらも笑顔になる。
「何を言ってるのかな?こっちは私のお勧めのオトコだからね」
「あ~、そうだった。そもそもお勧め品だった」と彼女。
「そうだよ。今でも間違い無しのお勧め品!」

言いたいこと、思ったことを各々の言葉できちんと言い合える。
相手の使う言葉の表面に惑わされず、中の心が聴けている。
そういう健全な関係を失わない二人は素晴らしい人だと感じる。
どちらも自分のお勧めの人だ。
世界中どこに行っても誰に紹介しても自慢の友人。

そんな彼女を育て、彼を可愛がっているお母さまが作って、
自分に持っていけといつものように彼女に余分に渡したであろう玉葱。
その玉葱は甘くて濃厚な味だった。
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