マインドフルネスの…

ここ何年前からだろうか、マインドフルネスが流行している。
たまたまここ三年の間に偶然の機会があり、
何度か理論説明やプチ体験を受けたのだが……辛かった。
何が辛いかというと、呼吸法だ。
まず「息を鼻から吸って口から吐いて、呼吸に集中してください」から始まるのが
もう苦しくて苦しくて…。
子どもの頃からいつも酸素が足りない感じ、息苦しさを感じている。
そのため、呼吸に意識が行くと苦しくなる。
若い頃から寝てい時に無呼吸状態も多く、吸っても吸っても酸素が来ない感じがする。
気持ちが整うどころか、乱れて仕方がない。

そんな折、娘ががゼミの一人の子がマインドフルネスをテーマに卒論書くために
実験参加したらしく、その話をはじめた。
彼女は「理論も実行も意外に難しい」と言う。
さもありなん。
禅の境地に達するのは何年も修行が要るわけで…。

「でも、そんな難しいことじゃなくても続けるとなんか違って来る気はしたよ」
よくよく聞いてみると、必ずしも呼吸をやる必要は無いのだそうだ。
何でも構わないから過去と未来ではなく「今の自分に気持ちを持っていくこと」なのだそうだ。
手を洗って水に濡れる感覚、地面を踏みしめる足の感覚、そういうものを意識することでいいと。

「あれ、じゃ、私は日常的に子どもの頃からやってるってこと？」
「お母さんは無意識にマインドフルネスやってたってことなんじゃないの？
私は違うよ。
お風呂で髪の毛の泡の感覚とかお湯が髪の間を通るとか意識しないもん。
そういう今の現実の事象に意識を向けることによって、過去や未来に縛られている気持ちを
解放するのがマインドフルネスなんだって」
「え？だって、今が大事じゃん。過去は過去で、先の事は今をしっかりしないと無いじゃん」
「あのさ、世の中のごく普通の人は過去を振り返ってそこから進めなくなったり
将来のことばかり心配して不安に思ったりしてるんだよ」
「あれ？そうなの？」
「そういう人のほうが多いんだよ。お母さんは例外。そんな人は少ないの」
「…じゃ、それでメンタル強すぎて、普通ならすぐ精神がダメになって終われるのに
何十年もDV我慢できてしまって苦しんだわけか…」
「あ～～その可能性は無いとは言えない…」
……ある意味ショック。

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